相続土地国庫帰属制度とは?土地を手放したい人が知るべき利用条件と手続き
2026年5月1日
相続した土地の管理にお困りではありませんか。
遠方に居住していたり、利用する予定がない土地でも、固定資産税の負担や、適切な管理を怠ることで周囲に迷惑をかけてしまうのではないか、といった懸念から手放したいと考える方がいらっしゃいます。
このような状況は、将来的に土地が「所有者不明土地」となるリスクもはらんでいます。
この度、こうしたニーズに応え、土地の管理負担を軽減し、所有者不明土地の発生を未然に防ぐための新たな制度が始まりました。
目次
相続土地国庫帰属制度とは
相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈によって取得した土地について、一定の要件を満たす場合に、その土地の所有権を国に引き渡すことができる制度です。
これにより、相続したものの、活用する予定がなく、管理に負担を感じている土地を、個人が抱え込まずに手放すことが可能になります。
土地を手放したいニーズに応える
これまで、相続した土地が不要であっても、その土地だけを放棄することはできませんでした。
不要な土地も含めて全て相続するか、他の資産も全て放棄するかの二者択一を迫られるケースも少なくありませんでした。
この制度は、そのような状況で土地を手放したいと考える方々のニーズに応えるものです。
所有者不明土地の発生を予防する
土地の管理が困難なまま放置されると、所有者が誰であるか不明な「所有者不明土地」が増加する一因となります。
相続土地国庫帰属制度は、不要な土地を円滑に国が引き取ることで、こうした土地の管理不全化を防ぎ、所有者不明土地の発生を予防することにも繋がります。
相続人が土地を国に引き渡せる
この制度を利用することで、相続や遺贈によって土地の所有権を得た相続人の方は、一定の要件を満たせば、その土地を国に引き渡すことができます。
これにより、将来的な管理負担や、管理に伴う経済的な心配から解放される道が開かれます。
相続土地国庫帰属制度の利用条件
この制度を利用するには、いくつかの条件があります。
相続人や遺贈者が申請可能
申請ができるのは、相続または遺贈によって土地の所有権を取得した相続人の方です。
生前贈与や売買など、他の方法で土地を取得した方や法人は、この制度の対象外となります。
兄弟姉妹などで土地を共有している場合も、共有者全員で申請する必要があります。
建物や担保権などがない土地
すべての土地が引き渡せるわけではありません。
建物が建っている土地、担保権や使用収益権(賃借権など)が設定されている土地、土壌汚染のある土地、境界が不明確な土地、所有権の存否や範囲について争いがある土地などは、原則として引き取りの対象外となります。
また、崖地で管理に過大な費用がかかる土地なども、不承認となる場合があります。
手続きと必要費用
制度の利用にあたっては、まず管轄の法務局に相談することから始まります。
相談後、必要書類を準備して申請を行い、審査を経て承認されると、土地の管理費用相当額の負担金を納付することになります。
審査手数料として、土地1筆につき1万4,000円がかかります。
また、承認後に納付する負担金は、土地の状況に応じて算定されますが、基本的には1筆あたり20万円となります。
負担金の納付をもって、土地の所有権が国に移転します。
まとめ
相続土地国庫帰属制度は、相続したものの管理に悩む土地を、相続人が国に引き渡すことができる画期的な制度です。
これにより、個人の負担軽減と、所有者不明土地の発生予防という二つの大きな目的が達成されます。
利用にあたっては、建物や担保権がないことなど、土地に関する一定の要件を満たす必要があり、審査手数料や負担金といった費用も発生します。
制度の利用を検討される際は、管轄の法務局にご相談いただくことをお勧めします。




