結露しない家は窓が違う!快適な新築づくりのために
2025年11月8日
新築の住まいでは、最新の建築技術によって快適性や省エネルギー性が追求される一方で、窓に発生する結露が思わぬ悩みとなることがあります。
せっかくの新居で結露に悩まされると、単なる不快感にとどまらず、カビの発生や建材の劣化といった、より深刻な問題を引き起こす可能性も否定できません。
特に、高気密・高断熱といった性能の高い住宅であっても結露が発生するメカニズムは、一見すると矛盾しているように感じられるかもしれませんが、その原因は住宅の構造や日々の生活習慣、そしてそれらの相互作用に深く関係しています。
目次
新築の窓結露の根本原因
室内外の温度差と室内の水蒸気量
窓ガラスに結露が発生する最も基本的なメカニズムは、空気中に含まれる水蒸気が冷たい表面に触れることで水滴に変わる現象、すなわち「結露」です。
空気中に含むことができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)は温度が高いほど多くなり、温度が下がると少なくなります。
室内の空気が、外気の影響を受けて冷やされた窓ガラスの表面温度、あるいは窓枠(サッシ)の表面温度に触れると、その部分の温度が空気中に含まれる水蒸気の露点温度(水蒸気が凝結し始める温度)以下になった場合に、目に見える水滴として現れます。
特に冬場など、室内と屋外の温度差が大きくなると、窓ガラスやサッシの室内側表面温度は室温よりも低下しやすくなり、結露のリスクが高まります。
さらに、新築時には建材に含まれる水分が乾燥する過程で、初期段階において室内の湿度が高くなる傾向があることも、結露を助長する一因となります。
換気不足による水蒸気の滞留
私たちの日常生活においては、調理、入浴、洗濯物の室内干し、観葉植物への水やり、さらには呼吸や皮膚からの水分蒸発など、様々な活動を通じて室内に水蒸気が放出されています。
これらの水蒸気が適切に排出されずに室内に滞留してしまうことが、結露の大きな原因となります。
特に、近年の住宅に多く見られる高気密住宅は、外部からの空気の流入を最小限に抑えることで断熱性や気密性を高めていますが、その反面、意図的に換気を行わない限り、室内の湿気が自然に排出されにくく、湿度が上昇しやすいという特性を持っています。
換気システムが十分に機能していなかったり、換気口が塞がれていたりすると、生活活動で発生した水蒸気が室内にこもり、窓ガラスなどの冷えやすい箇所で結露が発生しやすくなるのです。
高気密高断熱住宅の特性
高気密・高断熱住宅は、断熱材の性能向上や気密処理の徹底により、冷暖房効率を高め、一年を通して快適な室内環境を維持することを目指した住宅です。
これにより、外部の厳しい寒さや暑さが室内に伝わりにくくなり、省エネルギー効果も期待できます。
しかし、その特性ゆえに、室内で発生した湿気が外部へ逃げにくく、室内にこもりやすいという側面も持っています。
たとえ、断熱性能の高い複層ガラスやLow-Eガラス、樹脂サッシを採用したとしても、室内外の温度差が著しく大きい場合や、室内の水蒸気量が多い状態が続くと、窓ガラスやサッシの室内側の表面温度が露点温度以下になる可能性は十分に考えられます。
つまり、住宅の断熱性能が高いことと、結露が発生しないことは、必ずしもイコールではありません。
新築の窓結露をしないための対策は何か?
換気計画の見直しで湿気を排出する
窓結露を効果的に防止するためには、まず第一に、室内の湿気を計画的に排出する換気の重要性を再認識する必要があります。
現在多くの住宅で採用されている24時間換気システムは、室内の空気を計画的に入れ替えることで、湿気や汚染物質を排出し、新鮮な空気を取り入れるための重要な設備です。
この換気システムが正しく稼働しているか、定期的に点検・清掃を行い、フィルターを清潔に保つことが不可欠です。
また、給気口や排気口が家具などで塞がれていないか、カーテンで覆われていないかなどを確認し、空気の流れを妨げないように注意することが大切です。
特に湿度の高くなりやすい時期や、調理・入浴などの際には、換気扇を適切に使用し、室内の湿気がこもらないように意識的に空気を入れ替えることが求められます。
窓の断熱性能を向上させる
結露の発生は、窓ガラスやサッシの表面温度が室内の空気の露点温度以下になることで引き起こされるため、窓自体の断熱性能を高めることは、結露対策として非常に有効な手段となります。
具体的には、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する「内窓(二重窓)」の設置が挙げられます。
これにより、窓ガラスが二重になり、間に空気層ができることで断熱効果が高まり、窓表面温度の低下を抑えることができます。
また、現在設置されている単板ガラスを、断熱性能の高い複層ガラス(二枚のガラスの間に空気層や乾燥ガス層を設けたもの)や、さらに高性能な真空ガラス、Low-E複層ガラスなどに交換することも有効な対策です。
さらに、窓枠(サッシ)の素材も断熱性能に影響を与え、熱伝導率の低い樹脂製や、アルミと樹脂の複合素材でできたサッシを選ぶことで、窓枠部分の結露リスクを低減させることが可能です。
除湿器や換気扇で湿度をコントロールする
窓結露を防止するには、室内の湿度を適切に管理することも極めて重要です。
生活活動によって発生する水蒸気量を、換気だけでは排しきれない場合や、特に湿度が高くなりやすい状況下では、除湿器やエアコンの除湿機能、換気扇などを積極的に活用することが効果的です。
例えば、入浴後や調理中、洗濯物を室内に干す際などには、換気扇を回し続けるか、除湿器を稼働させることで、急激な湿度の上昇を抑えることができます。
理想的な室内湿度は、一般的に40%から60%程度とされており、この範囲を維持するように心がけることが、結露の発生を抑制し、カビやダニの繁殖を防ぐ上でも望ましい状態です。
定期的な換気とこれらの湿度コントロール手段を組み合わせることで、より快適な室内環境を保つことができます。
まとめ
新築の窓結露は、室内外の温度差、生活活動による水蒸気の増加、そして高気密・高断熱住宅特有の換気不足が複雑に絡み合って発生する現象です。
この根本的な原因を正しく理解することが、効果的な対策を講じるための第一歩となります。
対策としては、24時間換気システムの適切な運用や換気経路の確保による湿気排出、内窓設置やガラス交換による窓の断熱性能向上、そして除湿器や換気扇の活用によるこまめな湿度管理が、新居での結露問題を解決するための鍵となります。
これらの対策を複合的に実施することで、結露の悩みを解消し、健康的で快適な住まいを維持することができるでしょう。
三井開発には、住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナー、宅建士も常駐しております。
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